水琴窟と三和土の庭 長崎県川棚町 J寺



10月のある日携帯電話で

「水琴窟を造りに長崎まで来てもらえますか。」

との話を頂きました

「はい、喜んでお伺いします。」

二つ返事です


ただいかんせん一番忙しい時期

特に今年は超多忙で身動きとれないような状態です

「年明けてからでも大丈夫でしょうか。」と言うと

「いいですよ。」との返事を頂きました


年が明けてみると

今年は大寒波が日本列島を襲い

コンクリートと三和土はとても施工できません


やっと3月になり

もう凍結の心配もないかと思い出発しました


東京有明からカーフェリーで35時間

着いたのは北九州市新門司港

ここから車で陸路3時間




立派なお寺です




お墓の中にキリシタンの墓碑があります




     J寺の水琴窟・・・・見せる水琴窟


今回の水琴窟は甕を見せる水琴窟

私どもで用意して行ったのは

甕と井戸こが枡と筑波の玉石等で

後は殆どこちらで調達します

石は檀家さんからの寄付で山から私たちが運んできます


まず初日は水琴窟の準備

穴を掘りパイプを伏せる

ただ土が粘土質で重い・・・・

その層を過ぎると今度は砂利混じりで固い地盤

パイプを伏せるまでにならず


2日目

朝から低い雲がたちこめる

コンクリートを打ち始めると雨がポツポツ落ち始めてきた・・・

ただコンクリートを打ち始めたらもう止められない

ユニックのブームを延ばしてブルーシートをかけて屋根を作る

雨は次第に本降り

大粒の雨がシートの屋根を打つ・・・

なんとかコンクリートを打ち終え

そのコンクリートの上と周りに水が溜まらないようにシートで養生して今日の仕事を終える


3日目

今日は朝から細かい雨が降る

檀家総代さんから頂いた石を据える予定

しかし昨日からの雨の為に置き場の奥まで入れない

でも そこに5tクラスのユンボがある

道路工事をしている土木屋さんのだった

会社に電話して尋ねると使っていいとの事

ありがたい


4日目

今日は曇り

今日は石を据え

井戸こがの中の石を積む





5日目

今日から三和土

同時に井戸こがの周りに石を並べる

気持ちとしてはあまり天端を出さずにざっくりと並べたいのだが

気持ちと裏腹に天端を揃えてしまう


6日目

石組の後ろに植栽が欲しくなり

住職に相談すると

植木を買いに行こうという事になる

目的のホームセンターには欲しいものは無く

近くのガーデンセンターに行くと

そこのガーデンセンター自体が無くなってしまっていた

そこの近くに私の会いたかった庭師の店があると思い

探してみる事に

イメージの木はみつからなかったけど

会いたかった庭師とは会えた

素晴らしい庭師だった

今日は植木は掘れないとの事

私達が帰った後になってしまうけど

植栽をお任せしてしてもらう事にした


夕方にまだ石を並べ終えていないけど

どうにも待ちきれなくて

甕を入れて

水を流してみた

イメージ通りの音が聴こえる



最終日

三和土も仕上がり

灯篭を建て

整地をする


甕の周りの石の天端を揃えたのも

結果としては正解だったと思う






         J寺の三和土


当初の予定では茨城から真砂土を持っていく予定でしたが

道具やなんやかんやでトラックの荷台に余裕がほとんどない

ネットで調べたら現場の近くの採石場で販売してる

早速電話してみたら売ってくれるそうだ


5日目から施工に入る

予定では真砂土と現場の土を使う予定でしたが

いかんせん粘土が強くて

シートをかけておいたけども濡れてる

とても三和土には使えない

建材屋さんに松煙がないか尋ねてみた

一袋だけあった


施工面積が広いので耕運機で材料を混ぜ

後はひたすら叩く











三和土も終わり後は整地

後日この石の後ろに植栽を地元の植木屋さんがやってくれる予定です






またここは庭の一角であり

この周りに庭園が造られます

ゆくゆくは水琴窟はそこの庭の一部になります

どんな庭になるか楽しみです



今回の長崎遠征は

いい経験が出来たし

素晴らしい出会いもあった


長崎はいい所だった


J寺のその後                 

偶然ですが常在寺の水琴窟の載ってるブログを見つけました

                      http://ameblo.jp/shiho392008/day-20120320.html



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