![]() 水琴窟 1.水琴窟とは
始まりは江戸時代と言われています。
茶室のつくばいや、縁先手水鉢の鉢前水門に造られたもので、、鉢前水門の下に底に小さ
な穴をあけた瓶を伏せて埋め、手を洗った水が、穴から水滴となって落ちるようにし 甕の底 に水を溜めておき水面に落ちる水滴の音が甕の中で反響して、その音を楽しむ物です。 初めはきっと手を洗ったお客様に かすかな聞き慣れない音が聞こえ『あれぇ何の音だろ
う?』と驚かす様な物だったんではないかと思います。江戸時代の遊び心だったんじゃないでし ょうか。 2.水琴窟との出会い
東京での修業時代ですからもう30年近く前に買った 上原敬二先生の本の中に『洞水門』と
ゆう名前で紹介されていました。 なんて昔の人は洒落た事をするのかなと感心すると共にいつか自分でも造りたいなと思ったこ
事を今でも覚えています。 3.水琴窟の共同制作研究会
平成15年に私の所属する茨城県造園技能士会で 東京の水琴窟制作の第一人者の とあ
る造園家(あえて名前は伏せさせていただきます)を招いて研修会を催しました。 本やHPでは解らない生きた色々ないい勉強をさせて頂き、素晴らしい物が出来上がりまし
た。 その中である問題点を私は強く感じました。
3−1.研究会の講師
私の知る限りでは水琴窟に関しては一番有名だと思います、私の所属する日本庭園協会で
も先頭に立ち 後進の指導など熱心に日本全国を駆け回る熱血漢です、 ご高齢にも関わらずスコップを持ち先頭に立って穴を掘る姿にはただただ頭が下がるおもいで
す。 水琴窟に関しては 昔の物を発掘、再現等、水琴窟を現代に蘇らせ、世に広めた実績は実
に素晴らしい事です。 ただいまだに江戸時代と構造的に殆ど変わらない物を造っているのが残念です。
これは決して非難しているわけではありません、あえて名前を伏せたのはこのためです。
何事も初めは大変です、それを後からどうのこうのと言うことはたやすい事です。
ここまで水琴窟を広めただけで充分称賛に値すると私は思います。
この水琴窟のブームを後生に迄残る物にするのは我々現役の役目です。
![]() 研究会で作った水琴窟の断面図 4.今迄の水琴窟の問題点
江戸時代の水琴窟はなぜ僅かな期間で無くなってしまったのか?
それは構造的な欠陥が有った為だと私は思っています。
@甕の中に土が入ってしまう。
Aその土を取り除くには もう一度造り直さなければいけない。
B完成するまで音を聴くことが出来ない。
Cその音が気にいらなくても直す事は出来ない。
これでは一時的なブームで終わってしまってもしょうがない事では無いでしょうか。
色々な人のHPを見させて頂きましたが まだまだ気づいていない人が多すぎます、このまま
では 又一時的なブームで終わってしまいます 5.実験的な水琴窟を造ってみよう
前記の欠点をふまえた水琴窟を まずは自分の家の庭に造ってみようと思いました、そこで
又新たなる課題が出ました。 竹垣は壊れているものの すでに庭は出来上がっている、その庭を壊して造る程の予算も暇
も無し・・・。 しかしそれが逆に実験には最適でした。
前例の無い物を造れるかもしれない、邪道な面も有るけれど・・・
6.私の家に造った水琴窟の特徴
@土が詰まる程入る事は無い。
A土が甕の中に入っても容易に掃除が出来る。
B甕を変える事が出来る。
C甕の中に溜める水の水位を変えることが出来るので 水滴の落ちる高さを変えられる。
D完成されている庭でも大げさな改造をしなくても 僅かな改造で造れる。
![]() 家に造った水琴窟の断面図 7.水琴窟の作成
![]() 竹垣が壊れ無惨な姿な玄関前の坪庭 7−1.甕と穴開け
甕は3個用意しました、1つは茶甕と呼ばれる昔お茶を入れた甕です、高温で焼いた物で薄
くて堅い 水琴窟に最適と思われます。高さ78p、最大幅47p 残り2つは九州産で何焼きか解りません、どなたか写真を見て解れば教えてください。低温で
焼いた物で厚くてやわらかです。大きい方が高さ69p、最大幅56p。小さい方が高さ57p、 最大幅48pです。 穴は水を入れる穴と音を出す穴を別に開けました、大きさはそれぞれ25oです。
![]() 今回試す予定の3個の甕 7−2.井戸枠の設置
レベルで水流の始まりから排水する側溝までの高さを測ったら茶甕の高さでぎりぎりでした、
1oの狂いも許されません。丁張りを丁寧に張りました。 井戸枠の設置場所に穴を掘り 割栗を突き固め排水用のエンビ管を水平に据え4個の御影石
の切石を台にして井戸枠を設置し、エンビ管の高さまで防水コンクリートを打ちました。もちろん ワイヤーメッシュを入れて・・・、水漏れが最大の敵ですからコンクリートの下と井戸枠の周りは 粘土を入れる事も検討すべきですね。 ![]() 井戸枠と排水用のエンビ管 7−3.タメマスの設置
これが私の水琴窟の最大の特徴であり、一番のキーポイントです。
上の断面図に有るAの部分を取り替える事で水位を変えられる訳で 甕の中を掃除する時は
パイプを長い物に取り替え水を溜めてからパイプを抜くと一気に瓶の中のゴミも土も流してくれ ます。 ![]() 水位調整用のエンビ管 7−4.給排水のエンビ管を全てつないで瓶の設置
まず初めに茶甕を入れてみました、そこそこの音はするんですがどうもも〜一つ足りないよう
な感じです。 水位も変えてみました、どうも納得出来る音では有りません。シュロの毛も試しましたがこれは
問題外大きい水滴は出来ません。 ![]() 瓶と給水のエンビ管 7−5.甕の交換
実は甕の穴開け作業中に甕の中に顔をつっこんであ〜〜、あ〜〜と声を出してみました、ど
んな反響音があるかと思い・・・。その時に九州の大きい甕の反響音がずば抜けていました。 これはいい音がする予感がしました、次にその甕をいれてみました。水位を3回変えてみまし
た、落下高で確かに音は変わります。 水滴が大小有るのか 色々な音が出ます、前もって水滴が溜まる所へ少し手を加えた結果
でしょうか、ビニール袋を被って(笑)甕の下に顔を入れて水滴の様子を見たんですが、大小を 目で確認する事は出来ませんでした ![]() 瓶を入れ替え 上に乗ってる石は水が全体にまわる用途と穴から漏れる音を少なくする為です 7−6.取りあえず完成
大きい甕のサイズが井戸枠の中へ打ったコンクリートに一杯で上手く取り出せません、それ
に急ぎの仕事が入ってしまい九州産の小さい甕は設置出来ませんでした、又今度とゆう事 で・・・、バックの竹垣もそのうち作ります、その時又追加します ![]() 取りあえず完成した水琴窟 7−7.後ろの竹垣
やっと後ろの竹垣を造りました、矢来垣を横組でアレンジしてみました。
あと木戸と竹垣を少し追加して植栽を少しするつもりです、ただ何時の事になるやら・・・
![]() 8.これからの水琴窟
今、私は洋風の庭、ガーデニングにも使える水琴窟を造ろうかと思っています。
具体的な構想は出来上がっています、今までの発想を180°変換した物です、今までは土の
中に埋まっていた甕を全面に出すつもりです。見せる水琴窟です。 甕を楽しみ、音を楽しみ、水を楽しめ メダカか金魚位の小魚を飼うことも出来ます。
9.おまけ 弊社の施工例 聴きに行った水琴窟や 旅の途中に見つけた水琴窟を 紹介します 4.東京都
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